いろいろあった日

今日から母入院のため、朝から病院へ。月曜の朝の入院受付は激混みだ。
母とは言えば、元気。身支度はすべて自分でやっているのでこちらはただただ付き添うのみ。ちょっと拍子抜けなくらい。病室へ案内され、看護士さんからクリニカルパス*1をもらう。事前にネットでここや他の病院のクリニカルパスや、一般的な治療法について調べておいたとおり、手術翌日から歩行、シャワー、食事ができるとあり、最近の医療の進歩に感動。
しばし休憩した後、一旦父と私は昼食や足りないものを持ってくるため、一時帰宅。


この間大事件が勃発するも、気づかない私。


スーパーで買い物などして、再度病院へ行き夕方、主治医の先生からこれまでの症状の説明と翌日に控えた手術の術式、今後の治療法について説明を受ける。
主治医は3人いらっしゃり、男性のL先生、あと二人は研修医かもしれない若い女医さんで一人はM先生(母いわく林明日香に似ているとのことで以後「明日香ちゃん」と命名)、もうひとりはT先生(こちらは可愛くて以後私のお気に入りとなり「可愛い方」と命名)。
説明を聞きつつ、手術の術式、輸血の可否、今後の治療方法などにかかわる同意書にサインしまくる。近頃なんでも同意書が必要らしい。医療過誤防止のためか。


そして大事件とは。
一時帰宅し再度病院へ向かい、母と話しながらカバンの中をごそごそしていたとき、大変なことに気づいた。


入院費が足りないときのために、と東京の自宅から持ってきていた10万ちょっと入っていた封筒をカバンに入れていたのだけど、それが無い。


もしかして家(実家)においてきたかな?と思ったけれど、一旦実家に戻ったとき、確かにカバンに入れた気がした。と、言うことは、どこかで盗られたもしくは失くしたことになる。でも、カバンをどこかに放置したということは無い。となると、落とした可能性が高いということになる。すると、さっき寄ったスーパーしかない、という結論に達した。


金額も大きいし、こういう場合見つからない可能性が高いと不思議と冷静に判断していた。とりあえず、母に心配をかけてはいけないので(というか、単純に怒られると思ったし・・・)、この間普通にしゃべっていたけど、とりあえず母にはトイレに行くと告げ、スーパーに電話するべく部屋を出た。すぐにタウンページでスーパーの電話番号を探し、電話した。


袋の特徴を覚えていたのでそれを伝えると、「お預かりしています」とのこと!しかし、スーパーの方もお互い確認できるまでは、金額等も教えてくれないし、その状態では本当にそれが私のものなのか、全額無事なのかどうかもわからない。内心悶々としたまま、迎えに来る父を待った。


父が来て、しばらく話したあと病室を出て、怒られるのを覚悟で父に「さっき、スーパーでお金落としたみたいやねん。それらしきものを預かってくれたはるみたいやし、もっかい寄ってくれへん?」と話したところ、ものすごく驚きつつ(そりゃそうだ)、しかし怒らず(あまりのことに怒るのも忘れ?)、「うわー。あったんかいな。よかったなあ。ちゅうかあんた、それ、奇跡やで。」といいつつスーパーへ一緒に行ってくれた。


スーパーの事務所に行くと、店長さんがもう一度特徴を聞きなおした後、袋を見せてくれた。「それです!!」と叫ぶ私。中身も全額入っている。
店長さんが「拾ってくれた方に連絡をかねて電話しますので、出てくださいますか?」とおっしゃったので、是非にとお願いした。相手の方に「実は今日から母が入院して、慌てていたようです。本当にありがとうございました」とお礼を言い、「本当に助かりました。些少ですが、お礼をさせてください」と申し出たところ、「お母さんが入院しはって、大変なときやし、そんなんええ。お母さんのためにつこたげ。」とのありがたい言葉・・・
事務所の人にも「いろいろ大変なときやけど、がんばってください」などと勇気付けられていたらいろいろほっとして泣けてきて、事務所でティッシュをもらいつつしばしウルウルしてしまった私。


とにかくとにかく私が悪いんだけど、こんな時代に、父の言うとおり奇跡のような出来事でした。

*1:時間軸に沿って、一般的な治療の流れを示したもの。今回のは、入院〜退院中、初日には何をして、二日目には何をして・・・という治療の流れがまとめてある。もちろん、治療経過は一人一人違うので、このとおりになるとは限らない